ここ数年「太田ステージ」の商標登録について、会員の皆様には、度々ご相談や報告をさせていただいておりましたが、このたび無事に商標登録が完了しましたのでご報告いたします。
「太田ステージへの注目は年々高まっています。太田ステージ評価用具(LDT-R)は年間100個余りの販売となっており、海外から研修の依頼をいただいたり、書籍の引用・転載についてのご連絡のメールを受け取ったりなど、多様なお問い合わせに驚くことも多くございます。たくさんの人に知っていただいていることをうれしく思う反面、評価に留まらず、それを良質な支援につなげることや、背景にある発達やその障害、人間そのものへの深い理解までを伝えていくことは難しく、それを十分に理解して活用していただけるだろうかと危惧する内容のものがあったことも事実です。
今までは開発者である太田昌孝先生の「広く社会に資するものでありたい」という思いから、太田ステージの権利の主張を積極的に行ってきませんでしたが、時代の流れにより主張をしなければ守ることも難しいと判断し、一旦日本国内で権利について整理する必要があると決断いたしました。
太田ステージは開発から時間が経過しており、既に多くの領域で活用されていることからも、今回特許での申請はできなかったため、商標登録での申請となりました。商標登録は、どの領域で登録をするかという「指定商品又はサービス」を決めて申請をします。太田ステージの背景や思いに賛同してくださった弁理士さんをはじめ、太田ステージの開発に携わったメンバーで相談をした結果、「太田ステージを評価する検査用具」・「太田ステージに関する研修会の開催や運営」・「太田ステージの評価に基づく支援」の3つの枠で申請し、受理されました。また、登録には法人又は個人を登録者とする必要があるので、当研究会の事務局やLDT-Rの販売元でもある特定非営利活動法人銀杏の会が登録者となっております。登録された商標についての詳細は特許庁のJ-PlatPatから検索いただけます。是非、この機会にご覧くださいませ(特許庁の「太田ステージ」の商標登録ページ:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-2023-058085/40/ja)
商標登録をしたとしても、私たちが大切にしている太田ステージの本質を守り広めていくには十分ではないのですが、まずはこの名称を商業目的で利用することを防ぐことを目的として行いました。「商標登録をした」と聞くと、太田ステージの活用に制限が発生するのではと思われるかもしれませんが、会員の皆様が普段の活動で実践していただく上では大きく変わることはございません。私どももこれまで通り会員の皆様と一緒に研鑽に努めつつ活動していければと思っております。
太田ステージはシンプルでありながら、その奥は深く、実践をするにはむずかしさもあります。日々学び続けていくことが求められるため、今後も年1回の研究会で、また会誌等を折に触れて読み返しながら、日頃の実践を振り返り、検討していきましょう。また、「正しい知識をもとに活用」という部分は、セミナー等を開催することで担っていければと思っております。セミナーについては、初級・基礎・応用など、段階に応じて内容に変化を持たせながらそれぞれ開催していく予定です。また、セミナー参加者には受講証明書を発行するなどの案も出ており、引き続きより良い方法を検討してまいります。
ぜひご意見等お寄せくださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
太田ステージ研究会事務局